仙台の観光地の中でも有名な瑞鳳殿(ずいほうでん)。
仙台藩主・伊達政宗が静かに眠る霊廟・瑞鳳殿は、経ヶ峯(きょうがみね)と呼ばれる緑豊かな山の中に鎮座しています。
ここ経ヶ峯には、瑞鳳殿を筆頭にいくつか伊達家の霊廟があり、見どころ満載の観光名所になっています。
涅槃門(ねはんもん)
仏教用語で【煩悩を取り除いた悟りの境地】という意味を持つ『涅槃』。
涅槃門は、伊達政宗公が眠る霊廟・瑞鳳殿への入り口になっています。
扉の上に施された菊紋や色とりどりの美しい飾り彫刻は本当に華やかで、まさに異世界への入り口の雰囲気が漂い、気分もアガります!
両脇に彫刻された赤い花は、確か椿だったかな・・
ずっと見上げていると首は疲れますが、ずっと見ていたいです。
涅槃門の裏側。表側と同じくらい煌びやかです。
瑞鳳殿
涅槃門の入り口をくぐり、石段を上がると瑞鳳殿の手前にもうひとつ門があります。
これは門の中に入ってから撮ってしまいましたが、入る前の表面には『瑞鳳殿』と書かれた扁額があります。
ベンチのようなものが置いてありますが、どんな時に使用されるんだろう?
普通に座っていいのかな??
そしてこの門を振り返ると、そこには・・
いよいよお目にかかれました。
伊達政宗公の霊廟・瑞鳳殿。
遠目にも一目瞭然の色彩の鮮やかさ、細やかな飾り彫刻。
まるで巨大な神輿のような絢爛豪華な姿は圧巻で、自然と手を合わせてしまいます 。
瑞鳳殿の近くまで行き、まずは手を合わせてからじっくりとその色彩や彫刻を堪能させていただきました。
見てください!
この鮮やかな色彩!!
鳳凰・瑞鳥・天女・獅子など様々な飾り彫刻もびっしり!
はっ!しかも扉に付いている大きな装飾は、伊達家の家紋では!!
どの方向から見てもいっさいの隙を感じない、隅々まで豪華な装飾に言葉がありません。
そして、瑞鳳殿の両脇には宝篋印塔(ほうきょういんとう)と呼ばれる石灯籠がたくさん並んでいました。
この宝篋印塔は、伊達政宗が逝去した際に殉死した家臣15名と、陪臣(ばいしん/家臣の家臣)5名のもののようです。
死してなお主君に仕える武士魂・・・かっこいいような、でもなんか悲しさを感じてしまいます。
瑞鳳殿資料館
瑞鳳殿の門を出ると、右手側に瑞鳳殿資料館があります。
ここには、発掘調査で発見された遺骨や武具など貴重な副葬品が展示されています。
中は撮影禁止だったので画像はありませんが、伊達政宗の頭蓋骨(模型)や遺髪(本物)、政宗公などの容貌を復元した像が見られます。
展示品の数はあまり多くないですが、伊達政宗の遺髪を見られただけでもかなり貴重な経験だと思いました!
初めは関係者しか入れないような建物だと思いスルーしようとしていたんですが、立ち寄ってみてよかった~。
感仙殿・善応殿(かんせんでん・ぜんのうでん)
涅槃門の入り口を出たら、小径を抜けて感仙殿と善応殿へ向かいます。
余談ですが、この奥の細道のような雰囲気が素敵・・と浸りながら歩いていたら、途中に工事用のコーンで通行止めになっている砂利道があり、“この先子熊の出没目撃があったため立ち入り禁止”という文言を見てちょっとビビりました。
ここ、熊出るのね・・・
でも感仙殿と善応殿のある方向ではなかったのでとりあえずひと安心しつつ、そそくさと通り過ぎました。
"子熊出没注意"の場所から少し歩くと、左側に石段が見え、石段の上の拝殿門の奥に煌びやかな建物がその姿を覗かせていました。
拝殿門をくぐると、煌びやかなその建物は感仙殿。
感仙殿は、伊達政宗の嫡男・伊達忠宗公の霊廟です。
父である伊達政宗の霊廟と比べると少し小さめではありますが、それでもやはり豪華な装飾は父に負けず劣らず素晴らしいものでした。
感仙殿にも、両脇に殉死した家臣12名と陪臣4名の宝篋印塔があります。
そして、向かって右側に並んで建っているのは
伊達忠宗の6番目の息子、伊達綱宗公の霊廟・善応殿です。
綱宗公の時代には殉死禁止令というものができていたため、殉死者のための宝篋印塔はありませんでしたが、その代わり家臣14名が剃髪し、百日間の弔いを行ったそうです。
さいごに
それにしても現代では考えられないこの“殉死”という制度(?)・・・
自ら命を絶つと決める者と、強制的に殉死をさせられる者といたようです。
強制的にってことは、きっと死にたくなかったってことですよね。
死にたくないと思いながら死んだ人は、向こうで主君に会えたんでしょうか?
・・なんてちょっと感傷的になったりもしましたが、絢爛豪華な瑞鳳殿を生で見られたのは本当に良かった。
ちなみに、2020年の10月3日(土)~18日(日)まで、瑞鳳殿では秋の特別御開帳というイベントを行うそうです。
めったに見られない伊達政宗の尊像を拝みに、また瑞鳳殿へ行ってみようと思います。